民主連合「リトアニアのために」(DSVL; Demokratų sąjunga „Vardan Lietuvos“)は、2022年に結成されたリトアニアの中道政党。欧州レベルでは欧州緑の党(EGP)に、欧州議会では緑・欧州自由同盟(Greens/EFA)に所属している。
「リトアニアのために」(または「リトアニアの名のもとに」)はリトアニア国歌に表れる言葉であり、リトアニアのメディアではこれを省略して民主連合とだけ呼ばれることが多い。また、さらに短く「民主派」(demokratai)と呼ばれることもある。
党史
2016年の国会議員選挙以降協力関係にあったサウリュス・スクヴェルネリス(Saulius Skvernelis)元首相と農民・緑の連合(LVŽS)の対立が表面化したのち、2021年にスクヴェルネリス元首相に近い同党議員らが離党するか、党から除名されるかした。これら議員を中心として、翌年、スクヴェルネリスを党首とする民主連合「リトアニアのために」が結成された。また、かつて社会民主党(LSDP)に所属していたアルギルダス・ブトケヴィチュス元首相や地域党(LRP)副党首のジグマンタス・バルチーティス(Zigmantas Balčytis)元財相らもこの動きに加わった。さらに、2023年11月には自由党(LP)のシルヴァ・レングヴィニエネ(Silva Lengvinienė)議員が同党を離党し、民主連合に入党している。
2024年の欧州議会議員選挙で民主連合は、リトアニアに割り当てられた11議席のうち1議席を獲得(得票率5.84%)。2024年まで欧州委員(環境・海洋・漁業担当)を務めたヴィルギニユス・シンケヴィチュス(Virginijus Sinkevičius)元経済イノベーション相が欧州議会議員に選出される。
同年10月に行われた国会議員選挙で民主連合は、比例で70議席中8議席(得票率9.22%)、小選挙区では71議席中6議席、合わせて14議席を獲得した。選挙後、社会民主党(LSDP)および「ネムナスの夜明け」(NA)とともに、連立政権を樹立することで合意。民主連合には国会議長と2閣僚のポストが割り当てられ、スクヴェルネリス党首が国会議長に、ジーギマンタス・ヴァイチューナス(Žygimantas Vaičiūnas)元エネルギー相が再びエネルギー相に、ルカス・サヴィツカス(Lukas Savickas)議員が経済イノヴェーション相に、それぞれ就任した。
選挙結果
国会議員選挙
- 2024年 –– 14 / 141 議席(比例 : 8 / 70 議席 = 得票率 9.22 % 、小選挙区 : 6 / 71 議席)
欧州議会議員選挙
- 2024年 –– 1 / 11 議席 = 得票率 5.84 %
- ヴィルギニユス・シンケヴィチュス(Virginijus Sinkevičius)議員
歴代党首
- 2022年〜 –– サウリュス・スクヴェルネリス(Saulius Skvernelis)
党員数の推移
- 2022年3月1日 –– 3,165人
- 2022年10月1日 –– 3,392人
- 2023年3月1日 –– 3,759人
- 2023年10月1日 –– 3,746人
- 2024年3月1日 –– 3,761人
- 2024年10月1日 –– 3,706人
出典・参考文献
- „Politinių organizacijų narių sąrašai [政治団体構成員一覧]“ – Lietuvos Respublikos teisingumo ministerija [リトアニア共和国法務省ウェブサイト]